大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和32(オ)1059 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人柴田昇の上告理由第一点について。

本件強制執行の債務名義たる公正証書記載の債務がいわゆる通謀による虚偽の意

思表示或は要素に錯誤のある意思表示に基く事実は、原審において全く主張立証さ

れなかつた事実であるから、原審がこれらの点につき判断しなくても何ら違法はな

く、その他の所論は、原審の適法な事実認定を争うにすぎない。されば、論旨はい

ずれも理由がない。

同第二点について。

記録によると、所論甲第四号証の公正証書はその成立につき当事者間に争のなか

つたものであるから、原審がこれをもつて事実認定の資料としたことは何ら違法で

はなく、成立の日時その他所論の点につき検討判示しなければ右資料となし得ない

ものではない。なお、所論印鑑証明の日付の点は、原審において全く主張立証のな

かつた事実であるから、公正証書の効力に影響あると否とを問わず、当審において

新たに主張することは許されない。されば、論旨はすべて理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!